2005年11月30日

月の砂漠

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晩秋の夕方、私はあのもの悲しいメロディーを聴くと、「寂寞」という名の色の気体が、シュッという音とともに辺り一面の空間を支配するその瞬間がわかる。

そのメロディーとは灯油販売車のスピーカーが奏でる「月の砂漠」だ。車載用ホーン型スピーカーから流れるダイナミックレンジの恐ろしく狭いその音は、私の中に入り込みなにがしかの化学変化を促すらしい。

そして、「犬殺し」という言葉が紡ぎ出されるのが常だ。なぜだか分からない。「月の砂漠」なのだからラクダが登場して、そのノソリとしたたたずまいが醸し出す空気感を感じても良さそうなものなのに…

そんなときは、足下にたたずみ無邪気に地面を嗅ぎ回る我が愛犬の背中に「俺が守ってやるからな」という言葉を投げかけるのだ。また明日も寒々しい空気を切り裂いてもの悲しいメロディーが流れてくるのだろうか。

【文中に職業差別的な文言が使われていますが、これは文学上の表現形態の一種であり作者に差別を助長したり奨励する意志がないことは明白なので、そのまま掲載しています】
posted by アーサーチチ at 22:02| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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